北海道札幌市を拠点に活動。ゴーメディアCEO兼ウェブコンサルタント。ウェブ制作・SEO対策・広告運用まで広くこなしている。わからないことはお気軽にご質問ください。
「E-A-T」とは、SEOにおける専門性、権威性、信頼性の概念のことです。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
Googleはサイトの運営者情報の評判、ドメインの信頼性、著者の権威、専門性などを検索ランキングの要因に含めていることを明らかにしています。
この記事では、E-A-Tを高めるための具体的な施策とE-A-Tを可視化して検証するテクニックについて解説します。コンテンツやリンクだけの短絡的な施策から一歩踏み込んだE-A-Tの施策も取り入れてSEO攻略の参考にしていただければと思います。
「検証可能な形で専門性・権威性・信頼性」を作ることが最大のポイント
E-A-TがSEOに重要である、ということは比較的知られていますが、具体的にE-A-Tを強化するための施策はあまり語られていないように思います。
E-A-Tを高めるための最大のポイントは「検証可能」な状態でE-A-TをGoogleに対してアピールすることです。「目に見える形でE-A-Tを高めることが最重要」なのです。
SEOの世界で「信頼」や「権威」というものは、リンクによりWeb上を行き来しています。
つまり、「リンク」が検証可能な信頼の最たるものとなります。
上図のように信頼の起点となるシードサイトからリンクにより、信頼が渡されて減衰しながらWeb上を行き来すると考えられています。
検索エンジンは「信頼できるサイトは別の信頼できるサイトにリンクする傾向がある」と考えているため、リンクがこれほど重要視されているというバックグランドがあります。
確かに、政府機関のサイトや上場企業のサイトから怪しげなスパムサイトにリンクするとは考えにくいですよね。
ちなみに、一昔前まではこのリンクの評価が加点方式のように「量」が重視されていたため、SEO業者による有料リンク販売行為が横行しました。E-A-Tは提唱される現代では、リンクは加点ばかりではなく、減点の対象にもなります。リンクにより検索順位を操作しようと試みたり、粗悪なサイトからのリンク比率が高まると当然SEO評価も下落します。
E-A-Tの最重要な要素はリンクですが、リンクだけでは無く「ドメインエイジ」「SNSでの言及」「リンク以外の言及」「資格の有無」などによっても影響される可能性はあります。繰り返しとなりますが、どのような要素であっても、検証可能な「見える」形での施策にすることが重要です。
2つの観点でE-A-Tを向上させる
E-A-Tは大きく分けると2つの分類があります。
サイトE-A-T | 信頼できるサイトかどうか |
著者E-A-T | 著者は専門家としての権威があるか |
サイト(ドメイン)単位で信頼できるかどうか?という観点と、著者に専門家として十分な知識があるかという観点です。どちらが欠けても不十分なので、これら2つの観点で施策を考えていくようにしましょう。
それぞれ解説していきます。
#1.サイトE-A-T
サイトE-A-Tは信頼に値するサイトかどうかです。
例えば、今日ドメイン登録をしたばかりの若いサイトが何を言ったところでGoogleから見て安心して上位化させることができません。
「サイト運営期間」や「リンク」が全く無いサイトというのは、「誰も存在を認めていない状態」であり、どれだけ良いコンテンツを作って専門性をアピールしても短期的には評価されにくいです。
若いサイトがE-A-Tを向上させようとする場合、リンクの本数よりも質(権威性)を重視してリンクビルディングをするようにしてください。
ドメインパワーの上げ方はこちらの記事がとても参考になります。
ドメインパワーとは?ドメインパワーが決まる仕組みと測定方法について
#2.著者E-A-T
著者E-A-Tとは、ページ単位でコンテンツの作成者が専門家として十分な知識を持つかという評価軸です。
どれだけ資格や経歴が優秀であっても、それが検証可能な形でGoogleに伝わらない限りは全て「自称」となります。
著者E-A-Tを可視化するには「プロフィールページ」を充実させることです。
Web上に散らかった権威性を1つのページにリンクで関連付けをし、専門家であることのエビデンスを積み上げていくようにします。
プロフィールには、専門家として活動しているYouTubeチャンネルやSNS、その他運営ブログや寄稿実績、セミナー実績などを記載すると良いでしょう。
ちょうど私のプロフィールはE-A-Tを意識して作っているので参考になるかもしれません。
E-A-Tが高まったプロフィールを著者としてリンクした記事はSEO評価がされやすいものとなります。
E-A-Tを簡易的に検証する方法
E-A-Tを簡易的にチェックするには特別なツールなどは不要です。
Google検索をシークレットモードで開いて以下のような検索コマンドを入力してみましょう。
自分の名前やペンネームがどれほどウェブ上で言及されているか(≒ブランディング)、SEO目線でお手軽にチェックする方法です。
メインKWは自分の業界を象徴するようなKWを考えて記入してみよう⭕️ pic.twitter.com/kTQQbC2fK5
— 菅野 太樹(ゴーメディアCEO) (@accesskanno) September 15, 2020
これは、自社サイトを除外し、自分の業種のクエリでどの程度言及されているのかをチェックする方法です。例えば、私なら「SEO」と「菅野」でどれほど言及されているかをチェックします。
検索コマンド例)
“菅野 太樹” SEO -site:gomedia.jp
私の場合は1ページ目で実際の私のことを言及したページが全てでした。
したがってこの簡易チェックにおいては良い結果が出たと言えます。ただ、このチェックは簡易的であり、専門家としての言及があるか無いかだけを調べるものです。
このチェックだけで安心せずに、業界での専門家としてのポジションを作り上げていくことは必須です。このチェックで自分の言及が全く無い場合は残念ながらGoogleから見て「自称専門家」です。まずは、検証可能な形で信頼を積み重ねていきましょう。
この記事で伝えたいこと
E-A-Tはほぼ全ジャンルでSEOに影響があると考えられますが、YMYL(Your Money Your Life)領域では最重要と言っても過言ではないくらい重要な要素となります。
最近の検索順位を眺めていると、大手企業のサイトや政府機関のサイトが優遇されているように見えますが、詳しく分析していくとE-A-Tの差によるものです。逆に大手企業でもうまくE-A-Tを検索エンジンにアピールできていないケースも見受けられるので、個人や中小企業でも食い込む隙はあるように思います。
Google検索エンジンは凄まじい変化を遂げているので、SEOもコンテンツやリンクのような短絡的な視点ではなく、もう一歩踏み込んだ施策を展開してみてはいかがでしょうか。